プラスチックツールによるリギングの紹介、後編です。
ひきつづきリギングの仕上げをしていきます。

前回の記事で、カラダ本体部分のメッシュ化と骨入れまではできました。
しかし、カラムを分けているパーツ(顔と首の鈴) がボーンについてきません。
このひも付け作業をしていきます。

20170120_14
 

================================

■関節の番号と、素材をひもづける

スキマティックウィンドウを開きます。
右下の小さいアイコンから 「ポートの表示を切り替える」 を選択します。

20170122_01
 
切り替えると、各ノードの左右の青と赤のスイッチが
AやBと書かれたスイッチハブに変わります。

20170122_02
 

首の鈴を、カラダのメッシュのノードの「A」 のスイッチにつなぎます

 20170122_03


Aのスイッチにマウスを合わせると、右側に▲▼マークのついたアイコンが出ます。
そのマークをドラッグすると番号を変えることができます

20170122_04


この番号がメッシュの関節の番号に該当することになります。
関節の番号を確認すると

1:ルート(腰)
2:torso(おなか)
3:shoulder(首の鎖骨あたり)
4:neck(首)

といった順番になっています。
首の鈴なので、3の鎖骨あたりに吸着させたいので「3」としました。

20170122_06



そして、ステージ画面を見てみると
鈴が下の方にズレていました。

20170122_05
 
これは、鈴の絵の中心が、メッシュの3番に吸着したということです。
なので、「編集ツール」(position) を使って、位置を合わせましょう。 

20170122_07

 これで、再度「プラスチックツール」(アニメート)でおなかあたりの関節を動かしてみると
きちんと鈴がついてくるようになりました!

20170122_g1

さぁ、残るは顔のパーツです!

しかし顔のパーツは・・・右目、左目、口、右頬、左頬と5個のパーツがあり
5個それぞれにいちいち設定をつけていくのは面倒です。
あとでなにかしら修正したい場合、また5個とも編集するのは非効率です。

5つのパーツをひとまとめにするには、タップ(peg)を使いたいところですが
残念なことに、タップ(peg)はメッシュの子供にすることができません…。

そうなるとサブシートを使う案もありますが
顔のパーツをサブシートで括ってしまうと
口パクや目パチの切り替えをさせるのに
いちいちサブシート内部に入って編集せねばならず、面倒です!

ってことで、ここはちょっとしたテクニックを。
空のレベルを作ってそれを親にします(AfterEffectsのNULL的な!)
先ほどの、鈴とリボンの関係性のように、親のレベルがひとつあればいいわけですから!


別のカラムに、「empty」と名前をつけたレベルを作りました。
カラム名は「face」です。

20170122_08


そのfaceノードを親にして
顔のパーツ5個を子供にします。

faceノードは、メッシュのノードに接続します。

20170122_09

鈴のときと同様に、まずは「A」スイッチに繋いでから
Aの横に出る▲アイコンをドラッグして数字を変えます。

今度は、「」にしました。
4:neck(首) の関節の動きに追従させるためです。

20170122_10


鈴のときと同様、編集ツールで位置を合わせましょう。
首を親にしたので、centerは首の関節のところに合わせます。


20170122_11


これで骨を動かして動きを確認してみると
顔のパーツは、首の関節にちゃんとついてくるようになりました!!

しかし・・・位置がついてきただけで首の傾きに合っていません・・・。
首の鈴の場合は、ぶら下がってるカンジになって逆にいい感じだったのですが
顔はそうはいきません。

あとひと設定必要です!

 20170122_g3


================================

■ エクスプレッションで回転を追従させよう
 
他のオブジェクトの動きに追随させるには
エクスプレッション」という機能を使います。
エクスプレッション自体の詳しいことはまた後日書きます。

パラメータエディタ」を開きます。

追従させたい対象(今回はface)を選ぶ
Rotation (回転のパラメータ) を選ぶ。
③ 補完の項目からエクスプレッションを選ぶ
④ Fromは1、Toは2以上の数値を入れます。
 ※ タイムシートのフレームの長さに合わせる
 ※ 1フレームしかなくても少なくとも2にしなくてはいけません。

⑤ エクスプレッションのスクリプトを打ちます。

20170122_12


■ エクスプレッションのスクリプト

今回は以下のコマンドを入れました。

**********************************

vertex(2, "head").angle + vertex(2, "neck").angle + vertex(2, "shoulder").angle + vertex(2, "torso").angle

**********************************

★ vertex ( カラム番号, 関節の名前 ) . パラメータ

vertex とは、メッシュのことを指しています。

カラダのメッシュは、タイムシートで左から2番目のカラムにあるので
カラム番号は2とすることで、「カラム2のメッシュを参照しなさい!」という意味になります。

関節の名前は、前回の記事で骨を入れるときに命名した名前になります。
前回、あえて関節にちゃんと名前を付けましょうと書いたのはココのためです。 
ここに "head" と入れれば
カラム2のメッシュのhead関節を参照しなさい!」という意味になります。

追随させたいパラメータはメッシュの角度なので、ここは angle となります。 
rotationはメッシュ全体の回転率のことを指し、特定の関節の回転率はangleに設定されてるわけです。 


頭、首、肩、おなか、と4つの足し算をしているのは
その4つのどの関節を回した場合でも、顔の角度に変化がつくからです。 

 
「 スクリプトとか苦手(> <) 」 という方は、深い意味は考えずに
上記のコマンドをコピペして
メッシュのカラム番号と、関節の名前さえチェックして
書き換えればいいと思います!


入力が終わったら
入力欄の下にある「適用」を押します。


ステージに戻って、プラスチックツール(アニメート)で骨を動かすと・・・

20170122_g2

できました!
ちゃんと顔のパーツが頭の位置と回転にくっついてきてます!


=========================

■ まとめ

プラスチックツールのリギングの工程は主にこうなります。

 
1.絵を用意する
2.プラスチックツールでメッシュ作成
3.プラスチックツール(ボーン作成)で関節を打っていく

(以下は別カラムにパーツがある場合)--------------------------------------

4.スキマティックで、パーツをメッシュの関節スイッチにひもづける(そして位置調整)
5.回転追従も必要な場合は、パラメータエディタでエクプレッションを適用する


以上です!

プラスチックツールは奥が深く
実はまだ今回使用せず紹介できていない機能があります。

次回もうちょっと補足で紹介したいと思います。