以前の記事でベクターレベルで描いた絵の塗りについては紹介しました。
影色の塗り分けの記事もベクター用のものでした。

今回はラスター(ビットマップ)で描かれている絵に色を入れて
影の塗り分けをする方法を紹介したいと思います。

まだボクも試行錯誤中で、これぞベスト手法!とまでは言いがたいですが
検証報告を兼ねて…!


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■ ラスター絵を描く

ラスターレベルでまずは線画を仕上げました。

170128_01


ラスターなので拡大すればドット状になっています。
アンチエイリアスもかかっています。


170128_05

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■ ベースの色を塗る

さっそく色を塗っていきます。
ベクター絵を塗ったときと同じように
キャラクターの色の塗り漏れがわかりやすいような背景の色を設定します。

「タイムシート」→「シーン設定」

170128_02


カメラ背景色のRGBを設定して、紫にしました。

170128_03


ベクター絵を塗ったときと同様に
塗りつぶしツール」 で、タイプは 「Normal」、モードは 「Areas」 にします。

170128_04


ベース色の塗りは
ベクター線の絵より、存外サクサクっと塗れます。
見た目で線が閉じられていればほぼ確実に色が入ってくれるところは
ベクターよりすごくラクです。

ぺっぺっ ぺっぺーーっと、とりあえず色が入りました。

 170128_06


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■ 細部の補正

しかしよく見れば・・・

170128_07
 
隅々まで塗りきれてない穴が散見されます。
2値化せずにアンチエイリアスを活かしたいがための足かせです!
(2値化するんだったらベクターがいいですしね…)

170128_08
 

そこで、塗りきれなかった隙間を埋める方法を紹介します。

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↓ この方法は非効率なので
訂正記事を追記しました。(2017/01/28 23:00)


そこで活躍するのが 「塗りのばしツール」 です。
閉じられているエリアに向かってドラッグすると
伸ばした色を流し込んでくれます。

170128_g1


 アンチエイリアスもほどよく保った状態で塗ってくれるところが優秀です。

ただ…上の画像は、とくにうまくキマった箇所の塗りなので
うまく塗り伸ばしてくれない箇所もあったりします。

塗りのばしツールのサイズを調整することでなんとかなったり
あとは、ペイントブラシツールで普通に手動で塗りつぶしたりも必要な箇所もありました。

こういった仕上げが、ベクターより手間がかかります…。


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【訂正追記】 (2017/01/28 23:00)

OpenToonzエヴァンジェリストの泉津井氏からご助言をいただきまして
この穴埋めはシンプルに塗りつぶしツールの「Rectangular」で解決できるとのこと!

下画像のように
タイプを「Rectangular」にし
モードを「Areas
これで穴の領域を囲むだけでアンチエイリアスを保った状態で塗りつぶしてくれます。

170128_g5


 
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■ 影色の塗り分け

シャドウや、瞳のハイライト、口の輪郭などを
主線とは違う色で、「ブラシツール」を使って引きます。
同じレベルにです!そのまま上に描いちゃいます!

170128_10

その際、ブラシの設定の 「塗りの保護」 にチェックを入れておくと
主線の色を消し潰さないようになります。
(ただしアンチエイリアスの部分には干渉します)

170128_11

つづいて、ふたたび塗りつぶしツールにて
今度はモードを「 Lines & Areas 」にします。

170128_12

塗り分け線で囲んだエリアと併せて
その線自体も、もろとも一緒に目的の色で塗っていきます。

170128_13
塗り分けできました!

影塗り分けの際にも
小さな塗り漏れの穴ができますがこちらも
上記のようにRectangular塗りつぶしをうまく使いながら
仕上げましょう。

170128_g6



 
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以上です!

いろいろ試行錯誤して、ご助言もいただきつつ
ラスターの塗り分けの方法を紹介させていただきました!

将来・・・もっと画期的な機能が開発されて
もっと効率的に塗れるツールが実装されるといいなぁなんて思ったり・・・。